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美容師は歳をとったら続けにくい?40代以降のキャリア選択肢の例とタイミング

2025.05.01

美容師は歳をとったら続けにくい?40代以降のキャリア選択肢の例とタイミング

美容業界では「美容師は、40代になったら続けにくい」と言われることがあります。

自分が働いている職場に40歳以上の美容師が少ない場合には、なおさら将来のキャリアに不安を感じるかもしれません。

ですが、歳をとっても美容師として活躍している方はたくさんいます。
歳をとったら美容師をやめないといけないわけではありませんし、キャリアが閉ざされるわけでもありません。

ここでは、「美容師は歳をとったら続けにくい」と言われる理由について最初に考察した後、「年齢を重ねた美容師のキャリア選択5つ」「キャリア選択の年齢とタイミング」について解説します。

「美容師は歳をとったら続けにくい」と言われる理由

美容師は歳をとったら続けにくい?40代以降のキャリア選択肢の例とタイミング

そもそもなぜ「美容師は歳をとったら続けにくい」と言われるのでしょうか。

それには以下のような理由が考えられます。

・若者のトレンドの変化についていくのが難しくなる
・若い頃よりも体力が無くなる
・「40歳頃に引退する」というかつての風潮が残っている

確かに、これらの理由で美容師を辞める人もいるかもしれません。

ですが実際のところ、年齢を重ねると、多くの美容師は若者向けの都心のサロンではなく、郊外の小規模なサロンや地域密着のサロンに移動する傾向にあります。

つまり、「40代以上の美容師がいない」のではなく、「小規模サロンに移動したから普段あまり見かけない」だけである可能性が高いのです。

また、経営や講師など、裏方に移っている、ということもあります。

これらのことから考えると、「美容師は歳をとったら続けにくい」という情報は必ずしも真実ではなく、「都心の若者向けサロンに、40代以上の美容師が少ない」のではないか、と言えるでしょう。

年齢を重ねた美容師のキャリア選択5つ

美容師は歳をとったら続けにくい?40代以降のキャリア選択肢の例とタイミング

それでは、年齢を重ね、都心の若者向けサロンで働くことに難しさを感じた美容師は、どのようなキャリア選択をしているのでしょうか。

ここでは、以下5つのキャリア選択について説明します。

①地元の小規模サロンに移る
②店長になる
③独立して自分のサロンを持つ
④フリーランスになる
⑤転職する、セカンドキャリアに移る

①地元の小規模サロンに移る

都心のサロンから離れ、地元の小規模サロンに移る美容師は多くいます。

地方のサロンやベッドタウンにあるサロンだと、お客様の年齢層も高くなり、「若者のトレンドを追う」必要はなくなります。

また、お客様だけでなく、美容師スタッフの年齢層も高くなるので、同世代と仕事できる働きやすさもあります。

美容師は接客するとき、お客様との話題に気を遣うものです。お客様の年齢が自分と近ければ、話題にもあまり悩まなくて済み、美容師を続けていきやすいと言えるでしょう。

②店長になる

都会の若者向けサロンでも、「店長が40代以上」ということは珍しくないのではないでしょうか。

それまでのスタイリストとしての経験を活かし、サロン店長、サロン運営側になるというキャリア選択もあります。

年齢を重ね、立場を変えてサロンで働き続けることで、カットやカラーのスキルだけでなく、サロン経営の知識や経験を積むことができます。

また、店舗で経営や運営に関する知識と経験を積み、独立して自分のサロンを持つ美容師も多くいます。

③独立して自分のサロンを持つ

美容師は歳をとったら続けにくい?40代以降のキャリア選択肢の例とタイミング

20代、30代と、美容師としてのスキルや経営に関する知識、経験を身につけ、独立というキャリアを選ぶ美容師も多くいます。

もちろん、独立して個人サロンを持つためには、多くのハードルがあります。

具体的には、以下の5つは必須となってくるでしょう。

①実務経験
②経営の知識・スキル
③開業資金+貯金
④指名客の獲得
⑤独立してやっていく根拠ある自信

引用:美容師として独立するのによいタイミングはいつ?開業費用、収入相場も解説

しかし反対に、十分な技術と集客力があれば、「1日〇名だけ施術する」「週〇日だけ働く」「〇〇特化型のサロンにする」など、個人経営だからこその自由な働き方を実現することも可能です。

独立して個人サロンを持つためのより詳しい方法については、以下のコラムをご覧ください。

参考:美容師として独立するのによいタイミングはいつ?開業費用、収入相場も解説

④フリーランスになる

「③独立して自分のサロンを持つ」ために必要なもののひとつである「開業資金+貯金」を安く抑えられる手段として、フリーランスで働くという選択肢もあります。

「労働時間を自分で設定したい」「自分がやりたい仕事に注力したい」「お客様ひとりひとりを大切にしたい」といった思いを持つ方であれば、フリーランス美容師が向いているかもしれません。

ただ、フリーランスになることは「お店を持たない独立」を意味します。

美容師としてのスキルや経験が浅い状態でフリーランスになると、お客様の獲得に苦戦してしまうでしょう。

フリーランス美容師というキャリアを目指す場合、美容師としての経験やスキルを磨くとともに、Instagramなどで自分のブランディングをしておくことをオススメします。

フリーランス美容師についてさらに詳しく知りたい方は、以下記事をご覧ください。

参考:フリーランス美容師の集客方法7つ|成功するために押さえたいポイント

⑤転職する、セカンドキャリアに移る

美容師は歳をとったら続けにくい?40代以降のキャリア選択肢の例とタイミング

「それまでの美容師の経験を活かして転職する、セカンドキャリアに移る」というのも、キャリア選択のひとつです。

美容師の経験を活かせる転職先として、以下の5つが考えられます。

1:アイリスト
2:訪問美容師
3:ネイリスト、エステティシャン
4:美容メーカー
5:ブライダル

1:アイリスト
美容師の資格、経験が活かせる転職先のひとつに、アイリストがあります。

なぜなら、アイリストは現在、美容師免許が必須の職業となっているからです。

美容師の仕事とも共通する「お客様の希望に合うデザインを考えて、実現したい」という思いを持っている方であれば、アイリストは有力な選択肢のひとつとなるでしょう。

2:訪問美容師
美容師には「美容室で働く」という選択肢の他に「訪問美容で働く」という選択肢もあります。

訪問美容とは、高齢や病気などで自力で外出が難しい方の自宅・施設に訪問してカット・カラーなどを行うお仕事です。

一般的なサロンでの仕事と違い、予約の入っている時間にお客様の自宅や施設を訪問し、施術する働き方になります。

また、お客様に高齢の方が多いので、その点でも通常の美容室業務との違いがあります。

「上記のような条件が自分に合いそうだ」と思う方は、訪問美容師がキャリア選択のひとつとなるのではないでしょうか。

訪問美容師についてさらに詳しくは、以下の記事に記載されています。

<関連記事>
知っておきたい訪問美容師のメリット・デメリット| 収入の話や活動の始め方も解説

訪問美容師の給料はどのくらい?サロンワークとの比較や給料アップの方法も

アシスタントからでも訪問美容師になれる?具体的な方法・訪問美容の始め方を解説

3:ネイリスト、エステティシャン
美容師と同じく、サービスを提供して、お客様に喜んでもらう仕事として、ネイリストやエステティシャンも挙げられます。

ネイリストの場合、美容師としての美的センスやデザインセンスを活かして働くことが可能です。

また、エステティシャンの場合、美容師とは少し方向性が違いますが、エステというサービスを通して「お客様に綺麗になってもらう」「お客様に喜んでもらう」ことができるでしょう。

どちらも国家資格などは必要ありません。
入社後の研修や民間資格の取得などでキャリアアップをしていくことができます。

4:美容メーカー
美容商品の開発や製造、営業、販売などを行う美容メーカーも、転職先として考えられる職業のひとつです。

美容師としてさまざまな美容商品を使っていた経験や、お客様のカウンセリングをしてきた経験が活かせるでしょう。

5:ブライダル
ブライダルも、美容師のスキルや経験を活かして働ける業界のひとつです。

結婚式場では、ブライダル美容師がヘアアレンジ、メイクなどを行います。

ヘアアレンジでは美容師の経験やスキルをそのまま使えるでしょうし、メイクも「お客様を綺麗にする」という点では美容師の仕事に似た目的を持っているといえるでしょう。

参考:美容師を辞めたい!辞めるときのポイント4つ、その後のキャリアステップ

美容師のキャリア選択の年齢とタイミング

美容師は歳をとったら続けにくい?40代以降のキャリア選択肢の例とタイミング

ここまで見てきたように、美容師として歳をとった後のキャリア選択にもいくつもの可能性があります。

①地元の小規模サロンに移る
②オーナー、店長になる
③独立して自分のサロンを持つ
④フリーランスになる
⑤転職する、セカンドキャリアに移る

この中でも特にタイミングが重要になるのは、③や④など、独立開業をするときでしょう。

一般的に美容師が独立するのは、スタイリストとして働き始めてから10年前後といわれています。

年齢では、およそ30代後半〜40代前半の方が多いでしょうか。

働き始めてから10年ほどになると、たくさんのお客様を接客した実績とともに、カットやカラーの知識や高い技術が身についています。

さらに、店長や経営の経験もあれば、サロンの運営についてもある程度の自信がついていることでしょう。

美容師としての実績、知識、技術、それから運営ノウハウがある程度身についてきたな、と思えたときが、独立というキャリア選択をする年齢とタイミングといえるでしょう。

参考:美容師として独立するのによいタイミングはいつ?開業費用、収入相場も解説

まとめ

ここまで、「美容師は歳をとったら続けにくい」と言われる理由、「年齢を重ねた美容師のキャリア選択5つ」「キャリア選択の年齢とタイミング」について説明しました。

歳をとったら美容師を続けられない、ということはなく、経験を積んで技術を高めた美容師には、さまざまなキャリアの可能性が開かれています。

あなたがキャリアを検討する際に、ここで紹介したキャリアの選択肢が参考になれば幸いです。

また、記事中で紹介した「訪問美容師」について、当サイト「GOCHOKI」では、訪問美容師になりたい方に役立つ内容の記事を多数掲載しています。

訪問美容に興味がある美容師さんは、ぜひ参考にしてください。

→ 訪問美容「GOCHOKI」のお役立ちコラム