美容室でのクレーム対応!問題を最小限にする5つの手順と予防策、具体的な対応例
美容室で働いていると、「ヘアスタイルが理想と違った」「接客に不満があった」などのクレームを受けることがあります。
接客業でもある美容師にとってクレームは避けて通れないものですが、クレームに丁寧に対応することによって問題を最小限に抑えることができます。
また、問題を最小限に抑えるだけでなく、お互いの誤解を解消し、お客様からの信頼を取り戻すこともできるかもしれません。
ここでは、「クレームへの対応策」だけでなく、「よくあるクレームの内容」「具体的な対応例」「クレームの予防策」をお伝えします。
それに加えて、「クレームがどうしても苦手なら、働き方を変えてみる」と題して、異なる働き方や客層の異なる働き方についても紹介します。
Contents
美容室のクレームへの対応策、5つの手順
クレームの対応は、基本的な流れを押さえておくことが大切です。
ここでは、以下の5つの流れに沿って、クレーム対応の手順を解説します。
①上司、責任者に報告する
②別室へ案内する
③クレーム内容を最後まで聞く
④丁寧に謝罪する
⑤場合によっては、後日連絡する
①謝罪した後、上司、責任者に報告する
クレームを受けたら、まずは誠意を持って謝罪した後、上司や責任者に報告をしましょう。
クレーム対応については、当事者同士が対応に当たるよりも、その場の責任者が対応を引き継ぐ方が、お客様と落ち着いて会話できる可能性が高まります。
また、上司、責任者への報告を真っ先に行うことで、お店としてどのように対応していけばいいかの方針を立てることができます。
②別室へ案内する
クレームを対面で受けた場合は、その後別室に案内しましょう。
別室に移動してもらう間に少し時間が経ち、お客様の気持ちが少し落ち着くかもしれません。
また、クレームを受けたこちらも、少しだけ頭を冷やす時間を持つことができます。
③クレーム内容を最後まで聞く
クレーム対応の重要なポイントは「お客様のクレーム内容を最後まで聞く」ことです。
途中で話を遮ったりせず相手の言葉を最後まで聞くことで、お客様もだんだんと冷静になっていくことがあります。
この段階では、言いたいことをひとしきり言ってもらいましょう。
お客様の様子が落ち着いてヒアリングができるようになったら、「お客様が何に不満を感じたのか」「最終的に何を目的としているのか」を聞き取りましょう。
そうすることで、美容室に落ち度があったか、美容室としてこのクレームにどう対応していくべきかを検討することができます。
クレームを伝えてくれたお客様も、問題点が改善されればまた来店してくれるかもしれません。
また、そのお客様は来店されなくとも、今後のお客様のためにクレームを活かすことができる可能性もあります。
お店をさらに良くしていくためにも、クレーム内容とその意図を聞き取っておきましょう。
④丁寧に謝罪する
クレーム内容が把握でき、お客様が不満を感じた理由が判明したら、お店として丁寧に謝罪することが大切です。
お店に落ち度があった場合には、お店としてどのように改善していくか、対処していくかを考え、実践していくことが求められます。
⑤場合によっては、後日連絡する
クレームを伝えてきたお客様によっては「ミスの分、返金してほしい」「慰謝料を払ってほしい」などの要求をされる場合があります。
このような要求があった場合、その場で返答するのではなく、「上司に相談した上でまた後日連絡します」と伝えるようにしましょう。
一方、カットやカラーのやり直し、洋服のクリーニング代など、責任者の判断で決定できる対応については、できるだけ迅速に対応することが望ましいといえます。
美容室でよくあるクレームの内容|技術面、接客面
美容室でよく発生するクレームの内容について、技術面と接客面の2つの要素に分けて具体例を解説します。
技術面
美容師の技術面に対してのクレームには、例えば以下のようなものが考えられます。
・カットやカラーの仕上がりが思っていたのと違った
・施術時間が長すぎた
・カットの際、ハサミがひっかかって痛かった
・シャンプーのお湯が熱すぎた
・シャンプーの施術が雑だった
・施術に対して料金が高すぎる
接客面
接客面におけるクレームには、以下のようなものが考えられます。
・予約した時間に来たのに長く待たされた
・接客態度が悪かった
・言葉遣いが失礼だった、馴れ馴れしかった
・来店時や帰る時の対応が雑だった
・カウンセリングで説明されたメニュー、料金と異なっていた
・預けていた荷物が破損、紛失した
美容室の具体的なクレーム対応例|対面、メール、口コミ
ここでは、対面、メール、口コミでクレームが入ったときの対応の例を、参考に紹介します。
対面でのクレーム対応例
お客様:「ちょっと色が思っていたのと違うんですけど……」
美容師:「この度はご期待に沿えず、申し訳ございません。ご希望のイメージをもう一度詳しくお聞かせいただき、無料でお直しさせていただきたいと思っております。ご都合はいかがでしょうか?今後はカウンセリングをより丁寧に行い、このようなことがないようにいたします。」
ポイント:即謝罪をし、誠意を示す。さらに解決策を提示する。
メールでのクレーム対応例
・仕上がりに対するクレームメールに対する返信例
件名:施術に関するお詫びとご対応について
本文:
〇〇様
先日は当店をご利用いただき誠にありがとうございました。
この度は仕上がりについてご満足いただけなかったとのこと、大変申し訳ございませんでした。
もしよろしければ改めてご希望をお伺いし、無料でお直しをさせていただきたく存じます。
ご都合の良い日時をお知らせいただけますでしょうか。
今回の件を真摯に受け止め、今後はより丁寧にカウンセリングを行い、同じことが起こらないよう努めてまいります。
重ねてのお詫びとなりますが、この度は誠に申し訳ございませんでした。
〇〇美容室
担当:〇〇
ポイント:利用への感謝の後に謝罪をして誠意を示す。さらに具体的な対応案を明記する。
口コミに対するクレーム対応例
口コミ:「仕上がりは悪くなかったですが、スタッフの接客が少し冷たく感じました。気分が良くなかったです。」
美容室からの返信:「この度はご来店いただきありがとうございました。せっかくお越しいただいたにもかかわらず、接客においてご不快な思いをさせてしまい誠に申し訳ございません。
いただいたご指摘を真摯に受け止め、スタッフ一同、接客態度や心配りを見直し改善に努めてまいります。貴重なご意見をいただき感謝申し上げます。また機会がございましたら、より快適にお過ごしいただけるよう尽力いたします。」
ポイント:接客クレームでは 「言い訳をしない」「改善意欲を見せる」「相手の気持ちを尊重する」 の3点が重要です。
美容室でクレームを起こりにくくするための予防策3つ
美容師としては、できるだけクレームは避けたいものですよね。
ここでは、クレームを予防するための具体策を3つ紹介します。
①カウンセリングを丁寧に行う
クレームの原因として多いのは、お客様のイメージする髪型と美容師のイメージが異なり、仕上がりに満足できないというものです。
こういった種類のクレームについては、事前に丁寧にカウンセリングすることで予防することができます。
カウンセリング時に、施術内容の擦り合わせを十分に行い、髪型、色味、施術の効果や料金について、お客様が納得できるように要望を聞き、情報を伝えましょう。
②技術や接客のスキルアップ
クレームの要因のひとつに、施術スキルや接客スキルの不足があります。
施術ミスや、お客様とのコミュニケーションエラーを起こさないようにするために、研修や勉強会などに参加し、美容師スキルと接客スキルを高めておきましょう。
また、先輩や同期に施術を受けてもらい、感想、フィードバックをもらうのも上達のための良い方法です。
③クレームが起こる前の準備|クレーム対応マニュアル作成
これはクレームの予防というよりはクレームが起こる前の準備ですが、クレーム対応マニュアルを作っておくことをオススメします。
クレームは初動(最初の対応)が非常に重要です。
初動を間違えてしまうと、小さなクレームが大きなクレームに発展してしまうかもしれません。
スタッフの内、誰がクレームを受けても適切に対応できるように、クレーム対応マニュアルを作成し周知しておきましょう。
そうすることで、クレームによる被害を最小限にすることができます。
どうしてもクレーム対応が苦手なら、働き方を変えてみる
「頑張って働いてきたけど、どうしてもクレームが苦手…」という方は、働き方を変えることを検討してみてもいいかもしれません。
美容師としての知識と経験を活かすのであれば、接客からは離れにくいかもしれません。
ですが、働き方によってその客層は異なり、クレームの種類や質も違ってきます。
ここでは、お客様の属性が異なる職種について紹介します。
①美容メーカー
美容商品の開発や製造、営業、販売などを行う美容メーカーは、転職先として考えられる職業のひとつです。
美容師がBtoC(お客様向け)の働き方なのに対して、美容メーカーは基本的にBtoB(企業向け)の働き方になります。
美容師としてさまざまな美容商品を使っていた経験や、お客様のカウンセリングをしてきた経験が活かせるでしょう。
②フリーランス
近年、フリーランスで働く美容師も増えてきています。
フリーランスの強みのひとつに「働く相手や時間を自分である程度選べる」というものがあります。
「労働時間を自分で設定したい」「自分がやりたい仕事に注力したい」といった思いを持つ方であれば、フリーランス美容師が向いているかもしれません。
ただし、フリーランスになることは「お店を持たない独立」を意味します。
美容師としてのスキルや経験が浅い状態でフリーランスになると、お客様の獲得に苦戦してしまうでしょう。
フリーランスの美容師を目指す方は、美容師としての経験やスキルを磨くとともに、Instagramなどで自分のブランディングをしておくことをオススメします。
フリーランスの集客方法には他にも、以下のようなものがあります。
①お客様につないでもらう、紹介してもらう
②モデルハント
③ポスティング・チラシ配布
④SNSで発信
⑤ブログやホームページで発信
⑥予約アプリ
⑦訪問美容
これらの集客方法については、以下記事に詳細が載っていますので、フリーランス美容師に興味がある方はぜひご覧ください。
→ フリーランス美容師の集客方法7つ|成功するために押さえたいポイント
③訪問美容師
美容師には「美容室で働く」という選択肢の他に「訪問美容で働く」という選択肢もあります。
訪問美容とは、高齢や病気などで自力で外出が難しい方の自宅・施設に訪問してカット・カラーなどを行うお仕事です。
そのため、一般的な美容室とは客層が異なります。
主に高齢の方が多いので、「サロンのお客様の相手が難しい」と感じている方には向いている可能性があります。
「上記のような条件が自分に合いそうだ」と思う方はぜひ、訪問美容師を選択肢のひとつにしてみてください。
訪問美容師についてさらに詳しくは、以下の記事に記載されています。
<関連記事>
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訪問美容師の給料はどのくらい?サロンワークとの比較や給料アップの方法も
アシスタントからでも訪問美容師になれる?具体的な方法・訪問美容の始め方を解説
まとめ
ここまで、美容室の「クレームへの対応策」や、「よくあるクレームの内容」「具体的な対応例」「クレームの予防策」をお伝えしました。
またそれに加えて、「クレームがどうしても苦手なら、働き方を変えてみる」と題して、異なる働き方や客層の異なる働き方について触れました。
そこで紹介した「訪問美容師」について、当サイト「GOCHOKI」では、訪問美容師になりたい方に役立つ内容の記事を多数掲載しています。
訪問美容に興味がある美容師さんは、ぜひ参考にしてください。