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介護が始まったらやるべきことは?介護保険サービスの申請、相談窓口、費用について解説

2025.05.01

介護が始まったらやるべきことは?介護保険サービスの申請、相談窓口、費用について解説

「親の介護のことをそろそろ考えないといけないな…」と思いつつも、具体的にどういった準備をすればいいのかわからない、という方は多いのではないでしょうか。

ここでは、「親の介護が始まったらやるべきこと」を順序立ててお伝えします。

その時になって慌てなくて済むように、今から知識や情報を蓄えておきましょう。

また、あわせて「利用できる介護サービスの種類」「介護の相談窓口」「介護にかかる費用」についてもお伝えします。

将来の介護への不安を軽減するために、参考にしてみてください。

介護が始まったらやること4つ

介護が始まったらやるべきことは?介護保険サービスの申請、相談窓口、費用について解説

「親に介護が必要なのではないか」と思ったら、まずやるべき4つのことについて説明します。

①地域包括支援センターか自治体の介護保険課に相談する
②主治医、かかりつけ医に相談する
③要介護認定の申請を行う
④介護サービスの利用のために、ケアプランを作成する

①地域包括支援センターか自治体の介護保険課に相談する

介護が必要になりそうなときは、まず「地域包括支援センター」や「自治体の介護保険課」に相談しましょう。

地域包括支援センターは、高齢者の生活や介護の相談にのってくれる施設で、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員といった専門職の方たちが在籍しています。

まずはここで、「親御さんは介護が必要な状態なのかどうか」「介護が必要だとしたら、どのような介護サービスが利用できるのか」を相談の上、把握しましょう。

令和6年(2024年)時点で、地域包括支援センターはすべての市区町村に設置され、全国には5,451か所あります。
あなたがお住まいの地域の近くでもきっと見つけられるはずです。

参考:厚生労働省「地域包括ケアシステム>2.地域包括支援センターについて>全国の地域包括支援センターの一覧」

地域包括支援センターがうまく見つけられない、何らかの事情があって行くことが難しい場合には、自治体の介護保険課に相談してみることをオススメします。

②主治医、かかりつけ医に相談する

親御さんに介護が必要な状態で、介護サービスを受けたい場合、「要介護認定」を受ける必要があります。

「要介護認定」では、要介護度が区分分けされており、介護サービスを利用する際の基準となります。

要介護度が高いほど介護の負担が大きくなるので、多くの介護サービスを利用できます。

参考:厚生労働省「(参考(3) 介護保険制度における要介護認定の仕組み)」

この「要介護認定」の申請には、医師による意見書(主治医意見書)が必要となります。

主治医意見書の作成は、後に市区町村が主治医に依頼することになりますが、あらかじめ主治医、かかりつけ医に介護について相談しておくとよいでしょう。

③要介護認定の申請を行う

介護が始まったらやるべきことは?介護保険サービスの申請、相談窓口、費用について解説

「要介護認定」の申請は、お住まいの市区町村の介護保険窓口に提出します。
その際、申請書と、介護保険証または健康保険証が必要です。

「要介護認定」の審査は、一次判定、二次判定の2段階に分かれています。

一次判定はコンピュータによって行われ、その判定を受けて、調査員が自宅や施設等を訪問し、心身の状態を確認するための認定調査(二次判定)を行います。

二次判定で、調査員に対してどのように対応すればよいかについては、地域包括支援センターの支援員や主治医などにあらかじめ相談しておくことをオススメします。

要介護認定の結果通知は、申請から原則30日以内に行われます。

認定は要支援1・2、要介護1〜5の7段階、および非該当に分かれています。
この介護度のレベルによって、受けられる介護サービスが変わってきます。

④介護サービスの利用のために、ケアプランを作成する

要介護認定を受けた後、実際に介護サービスを利用するためには「ケアプラン(介護サービス計画書)の作成」が必要になります。

「要支援1」「要支援2」の場合は、これまで通り地域包括支援センターの職員へ作成を依頼し、「要介護1〜5」の場合は、市区町村の指定を受けた居宅介護支援事業所のケアマネージャー(介護支援専門員)に依頼します。

このケアプランは、先方のスタッフだけで作成するものではなく、親御さん本人や、ご家族の希望、心身の状態などを考慮して作成するものです。

あなた自身も、介護に関する希望や相談、不安や悩みをスタッフに十分に伝えて、納得のいくケアプランを一緒に立てていきましょう。

参考:厚生労働省「サービス利用までの流れ」

利用できる介護サービスの種類(在宅介護・施設介護)

介護が始まったらやるべきことは?介護保険サービスの申請、相談窓口、費用について解説

親の介護が始まると、多くの方が「在宅介護か施設介護か」で悩みます。

ここでは、在宅介護、施設介護それぞれで利用できる介護サービスの種類について、簡単にお伝えします。

在宅介護で利用できる介護サービス

自宅に訪問してくれる介護サービスは以下のようなものがあり、訪問介護員(ホームヘルパー)や看護師が担当してくれます。

・訪問介護(ホームヘルプ)
・訪問入浴
・訪問看護
・訪問リハビリ
・夜間対応型訪問介護
・定期巡回・臨時対応型訪問介護看護

参考:厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索 介護サービス情報公表システム」

訪問◯◯と名前のつくものは、その名の通り自宅まで訪問して介護を行ってくれます。

そのサービス内容は主に、食事、排泄、入浴などの身体介護、掃除、洗濯、買い物、調理などの生活援助です。

訪問看護では、その人の疾患に合わせた対応を訪問看護師が行ってくれます。

また、こういった介護保険内のサービスの他に、介護保険外のサービスとして「訪問美容」といったものも存在します。

「訪問美容」とは、認知症や歩行困難などで美容室に足を運ぶことが難しい方のところに、プロの美容師が訪問して散髪を行うサービスです。

訪問美容では、主に以下のようなサービスを受けることができます。

<訪問美容メニュー>
・カット
・ブロー
・シャンプー
・お顔のお手入れ
・パーマ
・白髪染め、カラー
・トリートメント

こういった介護保険内・外の介護サービスを利用することで、在宅介護の負担を軽減することができます。

訪問美容サービスの内容について知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

→ 【訪問美容】介護が必要な方向けの散髪サービス|利用料金、使い方

施設介護で利用できる介護サービス

介護が始まったらやるべきことは?介護保険サービスの申請、相談窓口、費用について解説

施設に通所するものには以下のような介護サービスがあります。

・通所介護(デイサービス)
・通所リハビリ
・地域密着型通所介護
・療養通所介護
・認知症対応型通所介護

通所介護は主に日中の間、介護の必要な方を受け入れてもらうサービスになります。

自宅での介護をしていると介護者はどうしても付きっきりになり、なかなか気が休まるときがありません。

通所介護を利用することで、ひととき1人の時間を持つことができ、介護負担や介護疲れを軽減することができます。

参考:厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索 介護サービス情報公表システム」

参考:介護疲れが取れないとお悩みの方へ|介護疲れの原因と対処法を解説

介護に関する相談窓口

介護が始まったらやるべきことは?介護保険サービスの申請、相談窓口、費用について解説

介護に関する相談窓口は、先述した「地域包括支援センター」や「市区町村の介護保険課」だけではありません。

ここでは、介護に関する相談窓口を列挙しています。
もし、「地域包括支援センターや市区町村の介護保険課以外の場所に相談してみたい」と思われる場合、相談先として検討してみてください。

近隣の居宅介護支援事業所:
居宅介護支援事業所には、ケアマネーシャー(介護支援専門員)という介護の専門職が在籍しています。
介護についての相談、要介護認定の申請についての相談をすることができます。

参考:厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索>全国版トップ」

病院の医療相談室:
主治医やかかりつけ医のいる病院に医療相談室があれば、そこでも相談することができます。
医療相談なので、親御さんの心身の状態を中心に相談することができるでしょう。

地域の民生委員:
民生委員は、地域の生活相談に乗る役割を担っています。
医療や介護の専門家ではありませんが、地域での生活に関する悩みや心配事について相談することができます。

介護にかかる費用の目安

介護が始まったらやるべきことは?介護保険サービスの申請、相談窓口、費用について解説

「介護が始まったら、実際のところどれくらいのお金がかかるのか…」と不安に思っている方も多いと思います。

公益財団法人生命保険文化センターの調査によると、一時的にかかった介護費用の平均は74万円、毎月かかる介護費用の平均は8.3万円となっています。

参考:公益財団法人生命保険文化センター<生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」/2021(令和3)年度>

もちろんこれはあくまで平均であって、「介護するのは在宅か、施設か」「介護度は軽いか重いか」「医療的ケアは必要か必要でないか」「認知症の症状はあるかないか」といった要素によって金額は大きく変動します。

参考:公益財団法人生命保険文化センター「介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?」

介護費用をできるだけ安くするためにも、初期の段階で主治医や地域包括支援センターなどに適切に繋がり、十分な相談をしておくことをオススメします。

まとめ

ここまで、介護が始まったときにやることについてお伝えしました。

①地域包括支援センターか自治体の介護保険課に相談する
②主治医、かかりつけ医に相談する
③要介護認定の申請を行う
④介護サービスの利用のために、ケアプランを作成する

親御さんに介護が必要になったら、上記の流れに沿って介護の対応をしていきましょう。

介護をする際、できるだけひとりで全部抱え込まないようにしてください。

主治医や地域包括支援センターの職員、自治体の介護保険課に相談しながら、介護サービスをできるだけ活用して、あなたやご家族に負担が集中しないように取り組むことが大切です。

参考:介護疲れが取れないとお悩みの方へ|介護疲れの原因と対処法を解説

当サイト「GOCHOKI」では、介護サービスのひとつとしてご紹介した「訪問美容」に関する内容の記事を多数掲載しています。

訪問美容に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

→ 訪問美容「GOCHOKI」のお役立ちコラム