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美容師業は「訪問美容」の時代へ|訪問美容って何?始めるために知っておくべきこととは

2020.01.29

訪問美容 イメージ

訪問美容サービス「GO!CHOKI(ゴーチョキ)」です。

皆さんは、美容師業のトレンドが変わり始めている事を知っていますか?

美容師法は、2016年に改正され、訪問美容の適用される人の範囲が広がったことから「訪問美容の時代が来た」「美容師の働き方は間違いなく変わる」とまで言われています。

 

ですが、現在多くの方がその情報を耳にし、「訪問美容を始めたい」と考えている中で「どのように始めるのかが分からない」「どんなことをするのかが分からない」という現状になっています。

 

そこで今回は「訪問美容とは何か」「訪問美容では何が出来て、何が出来ないのか」「訪問美容の具体的なサービスの流れ」について、詳しく解説していきます。

現在、「訪問美容を始めたい!」と考えられている方は、是非参考にしてみてください。

そもそも訪問美容って何?どんなことが出来るの?

訪問美容について考える美容師

まず初めに、訪問美容とはどういうものなのか、どのようなことが出来るのかについて解説していきます。

訪問美容とは、ヘアサロン以外の場所(個人宅や福祉施設、結婚式場等)に伺い、ヘアカットやシャンプー、ヘアカラー等を施すサービスの総称で、出張美容とも言われています。

 

このサービスを受けられる人は美容師法で決まっており、誰もが利用できるものではありません。

近年、美容師法の改正で訪問美容サービスの需要が増えてきている

2016年の美容師法改正までは、疾病などの理由によって「寝たきりの状態」だったり、美容院へ行くことが出来ない人、外出することが危険だと判断される人や、結婚式に参列する人など、一部の限られた条件に該当する方が訪問美容の対象でした。

 

しかし、2016年の美容師法改正以降、家族の介護や育児を行っていて外出が困難な方も訪問美容のサービスを受けられるようになりました。

なので、高齢者だけでなく、訪問美容を必要としている人が、年々増えてきている傾向にあります。

 

訪問美容を始めるうえで「美容師免許」は必須

美容師免許_必須

訪問美容を始める上で、というよりも、美容を仕事にするうえで「美容師免許」は欠かせないものです。

美容師免許以外に特別必要な資格はありませんが、各自治体によって届け出が必要な場合もあります。

福祉系の資格を持っておくと出来ることの幅は広がる

介護福祉士や介護職員初任者研修等の資格は訪問美容には必須ではありませんが、持っておくことで「出来ることの幅が広がる」でしょう。

何故なら、訪問美容では介護施設への訪問などの際に「重度の疾病や障がいを持った方」にヘアカットをしていく場面もあるからです。

実際、寝たきりの方にヘアカットをするのと通常のヘアカットでは、やり方がかなり変わってきます。

では、訪問美容は実際どのようなやり方でサービスを提供するのでしょうか。

予約から支払い後までの、具体的な流れを見ていきましょう。

訪問美容のサービスにおける具体的な流れを簡単に整理

ここからは、訪問美容のサービスにおける流れについて具体的に紹介していきます。

 

今回紹介するケースは、初めてお問合せしていただいた場合を想定しております。

【1.予約】予約時にお客様の状態を必ずチェックする

予約は、電話やWebサイトから頂くことがほとんどです。

お客様と対面してお話しすることができないので、状態の把握ができません。

 

ですが、実際にお伺いしてから状態を把握しているようでは、現場で対応できない場合も考えられますので、電話で初期対応をするときにしっかりと確認しておく必要があるでしょう。

お客様の症状や体調次第では、万が一のことを考えて、電話の受付段階でお断りすることもあります。

 

また、施術時に立ち会って頂ける人がいるかどうかも必ず確認します。

一人では出来ない「寝たきりのお客様の移動」などで、ケアマネージャーや親族の方に補助をしてもらったり、不安を感じるお客様のそばで声かけをしてもらいながら、当日の施術を行うこともあります。

 

【2.準備】お客様の状態やメニューに合わせた持ち物の準備をする

美容道具_必需品

予約を頂いたあとは、お客様のご要望のメニューに合わせた持ち物の準備をしていきます。

例えば、カットであれば、ハサミやバリカン、コームなどのカット用品一式は必要になってきます。

 

更に、シャンプーをするのであれば、お伺いする際に、移動式のシャンプー台を持っていく必要もあります。

移動式のシャンプー台は、ものによって料金の幅も広く、手軽なものであれば1万円程、本格的なシャンプー台ですと15万円程です。

「荷物は出来るだけ身軽な方がいい」「ヘアサロンと同程度の本格的なシャンプーがしたい」など、自身のやり方やサービスの内容に合わせて購入するのがいいと思います。

 

また、施術後にカットで出た髪やその他のゴミを掃除する為の掃除道具等も用意しておきます。

ほうき・養生シート・ゴミ袋などは、必須の道具です。

 

訪問美容の現場で使いやすいように、工夫された道具等もニーズに合わせて徐々に増えています。

【3.施術】施術中は臨機応変な対応が求められる

施術中_画像

予約の時点でお客様の症状などは聞いていますが、実際にお会いしてみると、少し状態が違っていたりすることもあります。

椅子に長時間座って居られるかなども、お客様の症状によって個人差があるため、受付時に話を伺う中で判断することは難しいです。

なので、実際にお会いして対応方法を考えながら施術することも少なくありません。

 

福祉施設では、他の利用者様が近くに居ることがあるので、周囲への気配りも欠かせません。

誤ってぶつかってしまったりすることが無いよう気を付けましょう。

現場では、上記のような想定外のことにも臨機応変に対応することが要求されます。

 

また、パーマ液やヘアカラー剤などは、カーペットや床、壁紙に汚れがついてしまう可能性が高いので、床や壁にはねたり、こぼしてしまわないよう慎重に作業します。

【4.清掃・片付け】髪一本残さないよう完璧に行う

施術が完了したら、清掃や片付け等を行います。

福祉施設・個人に関わらず信頼問題に繋がることでもあるので、髪の毛一本残さずに帰るつもりで、清掃・片付けをします。

清掃中は部屋の隅やフローリングの隙間など、切った髪が入り込んでいないかをチェックしていきます。

床や壁に汚れがついていないかなども、確認しておく必要があるでしょう。

 

◆万が一に備えて、賠償責任保険への加入も必要

訪問美容の場合ですと、「ハサミでお客様にけがをさせてしまった」「床や壁紙にとれない汚れがついてしまった」ということも起こる可能性があります。

なので、万が一の事態に備えて、訪問サービス全般に関する事故を取り扱う「賠償責任保険」へ加入しておきましょう。

【5.支払い~次回の予約】施術後は支払いなどをしつつ次回以降の予約にも繋げる

一通りの工程が終わったら、料金の支払いです。

施設に訪問する場合などは、その場で「次回以降もお願いしたい」という要望を施設の方から頂き、後日改めて契約という流れになることがあります。

個人のお客様ですと、「次回はいつ頃にカットしてほしい」とお客様の方から言われるばかりではありません。

そのような場合は、こちらから「次はいつにしましょうか」「毎月この日程でどうでしょうか」など提案を行っていくことが多いです。

 

◆領収書は必ず出しておく

 

領収書_画像

支払いの際は、領収書を必ず出しておきます。

お客様によっては、介護保険サービスなどを受けており、個人の場合でも領収書を必要とされている場合があります。

また、金銭トラブルを防ぐという意味でも、領収書は必ず渡すようにしましょう。

 

以上が、訪問美容サービスの具体的な流れになります。

予約段階から、通常のヘアサロンとは異なる部分が多いので、実践する際はいつもと同じ感覚で話をしてしまわないよう気を付けましょう。

料金は?スキルや場面によって幅広いが平均は3000円~4000円程

訪問美容をする上で、「どのくらいの金額になるんだろう」というのは気になりますよね。

実際、サービス内容によって異なる部分ではありますが、安いところであれば1000円代から、高くなると5000円程で行っているところもあります。

安すぎると、サービスの質が低いと感じる人も多いようです。

なので、高めの料金でやっている美容師さんは、お客様にしっかり満足してもらえるように丁寧さやサービスの質を全面に押し出して、料金との折り合いをつけていく方も少なくありません。

施設と個人によって価格を変える美容師も多い

サービス内容によって料金を変えることは、通常のヘアサロンでも珍しくない事ですが、訪問美容の場合ですと、訪問先によっても料金が変わることがあります。

例えば、福祉施設への訪問ですと、「まとめて何人かヘアカットしてほしい」という要望があることが多く、それに合わせて割引を行っている場合があります。

個人の場合では、ヘアカットのご利用が1人であることがほとんどですので、少々割高になってしまいます。

まとめ:これからの需要の高まりに合わせて、訪問美容は始めるべき!

今回は、訪問美容とはどういったものなのかについて紹介いたしました。

以下の3つが重要な部分です。

  • 1.2016年の法改正で訪問美容はやりやすくなった
  • 2.必須資格は「美容師資格」だけ!美容師経験があるなら始められる
  • 3.ヘアサロンとはやり方や施術の流れ、気を付けるポイントもまったく違う

 

高齢化社会がどんどん進行していく今後の社会で、訪問美容サービスは今後も必要とされていくことでしょう。

お客様のニーズや社会の需要に合わせて、美容師も働き方を変えていく必要があります。

その第一歩として、訪問美容を始めてみてはいかがでしょうか?