訪問美容に必要なものリスト保存版!現役プロ2組のおすすめも紹介

訪問美容をはじめるにあたり、お悩みの1つにあがりやすいのが「道具選び」です。
今回は訪問美容の現役プロ3名2組の方にお聞きした、実際に訪問美容で使われている
・施術別の必須アイテム
・道具をそろえる際に注意するポイント
・おすすめの愛用アイテム
などをご紹介します。
<今回協力いただいた訪問美容の方々>

訪問美容で必要なものリスト保存版!必須アイテムから商品説明まで
「何の道具を抑えておけば安心かわからない」「訪問時に忘れ物がないか不安になる」
そんな皆さんのために「訪問美容で必要なもの」を一覧形式でまとめました。それぞれの施術ごとに必要な道具がまとまっていますので、これから道具を買いそろえるという方も参考にしていただければ嬉しいです。
<保存版!訪問美容で必要なものリスト>
| 道具名 | 訪問美容 のみで使用 | 商品説明・備考 | |
| カットに 必要な道具 | シザーズ | ||
| コーム | |||
| レザー | |||
| バリカン | 念のため充電器も持参しておくと安心です | ||
| トリマー | |||
| スプレイヤー | |||
| ダッカール | |||
| ブラシ | |||
| スタイリング剤 | |||
| カットクロス | |||
| ネックシャッター | |||
| タオル | |||
| フェイスブラシ (ネックブラシ) | |||
| ベビーパウダー (シッカロール) | |||
| カラーに 必要な道具 | カラー剤 (1剤、2剤、ヘナなど) | カラー剤は「10分で染まるクイックカラー」を使用するのがおすすめ。最近のクイックカラーは質が良く、髪へのダメージも少ないので、本当に便利です(佐藤さま) | |
| カラーカップ | |||
| ハケ | |||
| マドラー | |||
| はかり | |||
| イヤーキャップ | |||
| 保護クリーム | |||
| カラークロス | |||
| カラーグロープ | |||
| カラー用タオル | |||
| タイマー | |||
| パーマに 必要な道具 | パーマ剤 (1剤、2剤など) | ||
| ロッド | |||
| ペーパー | |||
| ゴム | |||
| キャップ | |||
| パーマクロス | |||
| アプリケーター | |||
| シャンプーに 必要な道具 | 移動式シャンプー台 | 〇 | |
| 移動式シャンプー台 専用の椅子 | 〇 | ||
| お湯(訪問先で借りる) | |||
| バケツ | |||
| シャンプー剤 | |||
| シャンプークロス | |||
| ドライヤー | |||
| タオル | |||
| 全般的に 必要な道具 | ビニール袋 | 〇 | |
| ゴミ袋 | 〇 | ゴミ袋と養生テープのタッグは、訪問美容で欠かせない重要アイテムです。用途としては、「ゴミ捨て」「使用後のタオル等をまとめる」「下に敷くシートや首元に巻くクロスの代用」「周囲の洋服や家具を毛から守る保護シートの役割」など万能アイテム。様々な用途で使用します(佐藤さま) | |
| 養生テープ | 〇 | ||
| 養生シート | 〇 | 養生シートはとにかく万能で、訪問美容には欠かせません。施設などの広い床から壁一面にかけてを、使い捨てできる養生シートで覆って施術に臨みます。作業終了後も髪の毛が付着したシートをそのまま丸めて捨てられるので、掃除の手間が大幅に省けます。また例えば寝たきりのお客様や、衛生面に特に気を使うべきお客様の使い捨てクロスとしても代用できます(澤田さま) | |
| ガムテープ | 〇 | ||
| ブルーシート (レジャーシート) | 〇 | ||
| 手鏡 | 〇 | 病院や施設だと、寝たきりや首がうまく座らないお客様も多いので、メインの鏡とは別に「手鏡」を持参するようにしています。やはり施術後の姿を見ると、どのお客様も嬉しそうな表情をされます(澤田さま) | |
| イーゼルスタンド+鏡 | 〇 | ||
| スリッパ | 〇 | ||
| コロコロ粘着テープ | 〇 | ||
| ミニほうき | 〇 | 車椅子などの細かい隙間に挟まった毛をササっと落とすのに便利。100円均一のものでも十分重宝します(澤田さま) | |
| 延長コード | |||
| 名刺 | |||
| チラシ | |||
| 領収書 | |||
| おつり | |||
| 筆記用具 | |||
| ハンコ | |||
| カルテ | |||
| 消毒液 | |||
| 手洗い石鹸 | |||
| 絆創膏 | |||
| ウェットティッシュ (アルコール・ノンアルコール) | コロナのご時世なので、どこでも手を除菌できるようにウェットティッシュを持参しています。小さなお子さんや敏感肌の方でも使えるよう、アルコール入りのものとノンアルコール両方を用意しています(澤田さま) | ||
| 使い捨てゴム手袋 | 寝たきりの方や密室空間でのカットに限っては、コロナ対策として「使い捨てのゴム手袋」を着用して施術するようにしています。万が一を考えると怖いですからね(澤田さま) | ||
| 訪問美容で あれば 便利な道具 | カット用椅子 (自分が座るもの) | ||
| 掃除機 | |||
| ヘアカタログ | |||
| ワゴン(作業台) | 施術に使用する道具全般は、ワゴンに詰め込んで持ち歩きます(佐藤さま) | ||
| ひざ掛け(冬場) | |||
| 台車 | 〇 | 駐車場から少し離れたご自宅であれば、台車にワゴンや備品を載せて運ぶようにしています(佐藤さま) | |
| 腕時計 | 訪問先によっては、施術を頼まれた部屋に時計がない、という場合も多々。腕時計は持参しておいた方が安心です(佐藤さま) | ||
| 首にかける扇風機(夏場) | |||
| 施術同意書 | |||
| 次回予約表 | |||
| 洗い流さないシャンプー (ドライシャンプー) | 〇 | 水を使わなくても、頭皮の余計な油分や皮脂を取り除き、髪の毛を清潔にしてくれるので便利です(澤田さま) | |
| ヘアカット用ケープ | 〇 | 首回りに装着して使用。カットした毛をケープが受け止めるので、下に毛がほとんど落ちることなく、施術後の掃除がラクになります(佐藤さま) |
訪問美容で必要なものを揃える際の注意点やコツは?

次に「訪問美容」で道具を揃える際に気を付けたいポイントや、アイテム選びのコツについてご紹介します。
1. 「軽量さ」「コンパクトさ」を最優先に選ぶ
荷物の持ち運び、ご自宅での道具のセッティング、最後の後片付けと、とにかく移動と道具の出し入れが激しい訪問美容。中にはエレベーターの無い3、4階建ての建物にお住まいの方や、駐車場と自宅の距離が驚くほど離れている方などもいらっしゃいます。
どれだけ身軽に訪問し、労力無く道具が持ち運べるかを基準に、道具を選ぶよう心がけてください。
| 荷物はとにかく”軽く・少なく” することが非常に大事です。 わたしも実は”軽量さ”を理由に、一度移動式シャンプー台を購入しなおしています。 介護・福祉系のメーカーが出しているしっかりした物を購入したのですが、シャンプーボールだけでも10キロ以上あるほど重たくて、とてもじゃないけど持ち運びは無理だと(笑) 階段しかない団地に住んでらっしゃるお客様もいるので、軽量なものを探しまわりお知り合いの方を通じて新しい移動式シャンプー台を購入しました。 (佐藤さま) |
2. 「消毒しやすい」「衛生的」という観点で選ぶ
特にコロナの時代に突入してから、今まで以上に消費者も「衛生面」や「除菌対策」には敏感になりました。
「お客様のご自宅にあがらせてもらう」「免疫力の低いお年寄りや、障害のある方の施術を多く取り扱う」という特殊な働き方だからこそ、人一倍「いかに道具を衛生的に保てるか」を重視してアイテムを選ぶ必要があります。
| コロナの影響もあって「お客様の安全性・美容師の安全性」両方の観点から、これまで以上に道具の衛生面に気を遣うようになりました。 道具であれば、例えば除菌しづらい紙製のものは極力避けて「洗いやすい」「殺菌できる」もので代用する。 (澤田さま) |
3. 最初からすべての道具・メニューを揃えようとしない
もしかすると「訪問美容はすべての道具と程度のメニューを揃えてから開始しなければならない」とお考えの美容師さんもいらっしゃるかもしれません。
結論からお伝えすると、最初からすべての道具を完璧にそろえる必要はありません。「訪問美容」という不慣れな環境下で、いきなり使い慣れていない道具や施術をあれこれ扱うとすると、パニックになってしまいます。
訪問美容の道具やメニューはサービスを提供しながら、徐々にお客様の要望に応じて増やしていくのがおすすめです。
| 開業当初のメニューは「カット」のみ。新調した道具も、作業台とブルーシートのみでした。 |
4. 訪問美容とサロンの掛け持ちなら、道具は完全に別けて用意すべし
訪問美容師の中には、専業ではなくサロンと掛け持ちされる方も多くいらっしゃるでしょう。その場合、なるべく「訪問美容専用の道具」と「サロンで使用している道具」を別々で揃えるのがおすすめです。
分けるメリットには、以下のようなものがあります。
・いちいち道具を入れ替える手間が省ける。
・忘れ物をしづらくなる。
・道具の消耗・すり減りを抑えられる。
| 私たちの経験からすると、道具はサロン専用と訪問専用とを別々で用意するのがおすすめです。 別々にすれば、訪問の際は「訪問美容専用の道具一式」を持って出るだけなので、「忘れ物のリスク」や「準備の手間」を各段に減らせます。 また個人的に「愛用している道具はサロンでも訪問美容でも長く使っていきたい」という思いもありました。 (澤田さま) |
保存版!実際に訪問美容師2組にオススメアイテムを聞いてみた

次に2組が実際に使用している「訪問美容でおすすめのアイテム」の中から、とくに役立つ道具を厳選して教えていただきました。皆さんもアイテム選びの参考にされれはいかがでしょうか。
髪をキャッチしてお掃除らくらくな、スキルカットハット
情報提供:佐藤さま
「パナソニック スキルカットハット」は首回りに装着することで、大きなフチが毛を受け止めてくれ、掃除が格段に楽になるアイテムです。
おすすめポイント① フチが大きく、毛を落とさない
安物の類似品はフチが低かったりフニャフニャだったりで毛をこぼしやすいのですが、この商品はフチが大きいので心配ありません。
おすすめポイント② 頭から被らず首に巻けるタイプ
訪問美容のお客様はご年配の方や体の不自由な方も多く、頭からハットを被っていただくのが難しい場合も。
そのため頭から被るタイプでなく、前開きで首に巻けるという点も重要なポイントです。
ヘッドの回転する、軽量タイプの充電式バリカン

商品情報:参考品
情報提供:澤田さま
ヘッド部分が360°回転する軽量バリカンです。
おすすめポイント① 回転ヘッドで、寝たきりや首の座らないお客様にも施術しやすい
回転式のバリカンを使えば、本来は刃が届きにくい箇所の毛も簡単に剃ることができます。
寝たきりの方や首が座らずに天井を向いているお客様の、後頭部や襟足の施術は難しいです。360°ヘッドなら、後頭部や襟足でも簡単に剃ることが可能です。
おすすめポイント② コードレスかつ軽量で持ち運びにぴったり
コードレスな上に軽量な作りなので、持ち運び時はもちろん施術中も手に負担なくバリカンをかけることが可能です。
長時間の施術も快適な、一本足の軽量持ち運びイス
商品情報:ロゴス(LOGOS) LOGOS エアライト1ポールシート
情報提供:佐藤さま
次のおすすめアイテムが、アウトドアブランド「LOGOS(ロゴス)」の超軽量コンパクトチェアです。お客様のカットやシャンプー時に、自分が座って施術するために使用します。
おすすめポイント① 高さが3段階調整で、低い位置のお客様の施術に最適
訪問美容で施術する際、通常はサロンの椅子ではなく、より座高の低い専用椅子・もしくはご自宅の椅子をお借りします。このとき腰をかがめて施術をするので、一般のサロンより体に負担がかかってしまうのです。
このシートを使えばお客様の高さに応じて3段階に高さ調整ができるため、腰を痛めることなく適切な位置で施術に臨めます。
おすすめポイント② 500mlペットボトルより軽い!持ち運びに便利
先ほども記載した通り、訪問美容においては「軽量さ」が命。
この商品はアウトドア専門のメーカーが発売しているため、500mlペットボトルより軽く、かつ折り畳み傘くらいのサイズに収縮して持ち運ぶことができます。
コードレス充電式のヘアドライヤー
情報提供:澤田さま
軽量のコードレス式ヘアドライヤー。冷風のみ使用可能です。一般的なヘアドライヤーであれば、訪問宅のコンセントをお借りして、延長コードにつないで…という工程で使用します。ただ長いコードが床をはっていると、車いすのタイヤが引っかかる、お子さまが足をかけて転んでしまうなど安全面のリスクがあります。
コードレスであれば、その懸念を未然に予防できるので安心。コンパクトで軽量な点も、訪問美容に最適な商品です。
【番外編】自社サービスのホームページ

情報提供:佐藤さま
新たに訪問美容を始めるにあたり、何より苦労するのが「集客」です。認知の低い訪問美容サロンでお客様を集めるためには、GoogleやYahoo!の検索で見つけやすい自社ホームページを用意することがとても重要です。「SNSじゃだめなの?」という声もありますが、訪問美容を求めている層やそのご家族はSNSに馴染みのない世代の方がまだまだ多い印象を受けます。
またサイトは開設するだけでなく、わかりやすいメニューや料金、実際のお客様の施術レポートなどを小まめに更新することが不可欠。
一朝一夕では難しいですが、力を入れさえすればしっかりとした集客経路を作ることができます。
訪問美容師の一日のスケジュールと道具準備

個人のお客様宅へ訪問する際の、大まかな手順と道具準備<カット編>
最後に「個人宅へ訪問する際の、作業と道具の大まかな流れ」について、個人で訪問美容専門サロンを運営されている佐藤さまにお話しをうかがいました。
”はじめての訪問時 ”に作業の段取りや道具を用意する手順で慌てないよう、ぜひ当日のシミュレーションに役立てていただければと思います。
| 作業の大まかな流れ | 必要な道具 | |
| 出発 | ▼荷物は2つ、ワゴンタイプの道具台と大型リュックです。この2つに全ての道具を詰め込んだ状態で移動、搬入を行います。
ポイントは「出来る限りスピーディーに移動・搬入できる装備」にすること。 | <移動手段> |
|---|---|---|
| 到着 ~ 開始準備 |
▼お客様宅へ到着し、さっそく準備に取り掛かります。ここでも大事なのはスピード感。手早く準備を進めていきます。 ・コンセントの穴をお借りする。
・鏡をセッティングする
・お客様にイスに座ってもらう(このとき、なるべく簡易イスではなくご自宅で愛用されているものに座っていただく。座りなれている物の方が、リラックスして施術を受けていただけるため)。 | <必須用品> <カット用品> <シャンプー用品> <その他> |
| 施術 カット | ▼手早く準備を終え、施術に入ります。 ・お客様の髪の毛をカットする。
・お客様に移動式シャンプー用の椅子に座っていただき、シャンプー開始。 | |
| 後片付け ~ 帰宅 | ▼施術が終わったら、後片付けと掃除をします。この間、お客様にはリラックスしてお待ちいただくことを心がけています。
・すべての道具の後片付けを行う。 | <お会計~ご予約> |
今回は「個人宅のカット&シャンプー」の事例でしたが、訪問先やメニュー内容によっても勝手は異なります。
インタビューをした2組ともおっしゃっていたのが「電話予約時のヒアリングがとても大切」ということ。当日問題なくサービスを提供するために、お部屋の広さや水場環境、お客様の容態など事前にしっかり質問・把握を心がけましょう。
まとめ

今回は「訪問美容に必要なものリスト保存版」というテーマで、現役のプロ2組に施術別の必須アイテムや道具をそろえる際に注意するポイント、おすすめの愛用アイテム等をお聞きしました。
これから訪問美容を本格的にスタートする方はもちろん、すでに現場で活躍されている美容師の方にも、参考にしていただければ幸いです。







