美容室の人手不足の原因と解消方法6つ、スタッフを増やすためにすべき対策

「求人を出してもなかなか応募が来ない」
「新しく人を雇っても、なかなか長続きしない」
「スタッフが足りず、お客様の予約を受けることができない」
美容室を経営していく中で多くのオーナー様が、美容師の新規採用の難しさ、人手不足に頭を悩まされています。
美容師の人手を充実させ、離職率を下げるためにどのような取り組みが必要なのでしょうか。
ここでは、「美容室の人手不足の現状と原因」を分析した後、「美容室の人手不足の解消方法」をお伝えしていきます。
この記事の情報が、あなたの美容室の現状を分析するための参考になれば幸いです。
Contents
美容室の人手不足の現状

美容室の人手不足の原因には、高い求人倍率と離職率の高さがあると考えられます。
求人倍率が高いということは、美容師1人に対して求人の数が1件以上あるということを意味しており、「一人の美容師を複数の美容室で取り合う」状況になっているといえます。
| 令和6年度(2024年度)の有効求人倍率は5.73。美容師1人に対して5.73件の求人がある計算。 |
さらにその上、離職率が高いとなると、美容室は「辞めていく美容師は多いけれど、新しい美容師を採用することはなかなかできない」という状況に陥りやすくなります。
| 2025年の美容師離職率は45.7%。1年以内美容師離職率は2.9%。美容師資格を持つ人の半分近くが美容師を辞めている計算になります。 しかし、2024年は48.0%だった美容師離職率は2025年には45.7%になるなど、業界全体としては改善傾向にあります。 |
このことから、人手不足の解消のためには「他の美容室よりも魅力的な求人を出すこと」「働きやすい(離職が起きにくい)職場環境を整えること」が重要になります。
そして、人手不足を改善していくためには、働く美容師スタッフたちにとって「何が魅力的か」「どうすれば働きやすいか」を考えていく必要があるといえるでしょう。
まずは、美容師が離職してしまう原因を詳しく見ていきましょう。
美容室の人手不足の原因

美容師の人手不足の背景には、美容室の労働環境、待遇という課題が横たわっています。
その課題は、離職の理由から推察することができます。
美容師が仕事を辞めた理由を見ていきましょう。
<初職>辞めた/転職した理由 ※主要なものをピックアップ
・給与・収入に関して不満があったから(給与が低い、収入が不安定など) 28.5%
・結婚・妊娠・出産のため 15.5%
・職場/サロン/の雰囲気やテイストが合わなかったから 15.1%
・上司(オーナーや店長など)と考え方・意見が合わなかったから 14.7%
・体調を崩してしまったから 13.3%
・拘束時間に関して不満があるから(休みが少ない、労働時間が長いなど) 12.7%
・働いているスタッフの人柄がよくない・自分とは合わなかったから 12.6%
・やりがいを感じられなくなったから(モチベーションが低下した) 12.3%
・仕事内容がハードだったから 11.9%
引用:株式会社リクルート「【美容就業実態調査2025】チャート集」p16
離職理由を見ていくと、美容室側で改善できる要素として、「給与・収入」「労働時間、休日数」「職場の雰囲気」「やりがい」といったものが見えてきます。
また、近年の美容師が「働くにあたって重要だと思うこと」を見ることで、人手不足改善のために必要な要素がさらに見えてきます。
働くにあたって重要なこと ※主要なものをピックアップ
・通勤がしやすい 62.0%
・働いているスタッフの人柄 52.2%
・給与 50.0%
・サロンの雰囲気やテイストが合う 48.9%
・勤務時間 48.4%
・休日日数 44.5%
・仕事とプライベートの両立 42.0%
引用:株式会社リクルート「美容サロン就業実態調査(2025年)」
「立地」なども条件に入ってきていますがやはり、「職場の雰囲気」「給与」「勤務時間、休日数」などが重要な要素としてランクインしています。
また、2023年から2025年の推移を見ると、「休日日数」が3.2ポイント増、「仕事とプライベートの両立」が2.1ポイント増と、他の項目に比べて突出して増加しており、近年の美容師が「休日」「ワークライフバランス」を特に重視していることがわかります。
美容室の人手不足の解消方法6つ

ここまで見てきた中で、人手不足解消のためのキーワードとして「休日日数」「ワークライフバランス」「給与」「職場の雰囲気」「やりがい」といったものが見えてきました。
ここではそれらの条件を改善するために取り組むべき、具体的な対処法について紹介します。
下記のことに取り組むことによって、結果的に美容師にとって「魅力的な求人」「働きやすい職場」となり、人手不足の解消に繋がっていくことでしょう。
①給与を上げる
②労働環境を改善し、定着率を上げる
③多様な雇用形態を導入する
④採用活動の幅を広げる
⑤人材育成を強化し、キャリアパスを描けるようにする
⑥業態を変更する「小規模運営(プライベートサロン)」や「訪問美容」
①給与を上げる
最もわかりやすい人手不足の解消法は「給与を上げる」ことです。
とはいえ、多くのオーナー様が「それができたら苦労しない」と思っていることでしょう。
単純に給与を上げることが難しい場合、「固定給に加えて歩合給を設定する」「資格や研修などに手当をつける」など、スタッフの頑張りや取り組みが給与に反映されるような仕組みを取り入れてみてはいかがでしょうか。
②労働環境を改善し、定着率を上げる
労働環境の改善として「残業を減らす・無くす」「休憩時間を確実に確保するために予約を調整する」「休日日数を増やす」などの取り組みが効果的です。
また、美容師の離職理由として「結婚・妊娠・出産」が大きな割合を占めていたことから、「子育てしながらでも働きやすい環境」「産休、育休後の復帰がしやすい環境」を整えることも効果的であるといえるでしょう。
③多様な雇用形態を導入する

フルタイム勤務だけでなく、フレックスタイム、パートタイム、時短勤務など、多様な雇用形態を導入することで「フルタイムでは働けないけどパートなら働ける。」といった美容師の雇用を行うことができます。
また近年ではフリーランスや業務委託、副業で美容師業を営んでいる人もいます。
そういった美容師と協力することで人手不足を解消していくことができるでしょう。
また現在は、そういった人材を採用する美容室がまだ少ないので、「柔軟な働き方を求める美容師にとって魅力的な美容室」として注目してもらえる可能性があります。
④採用活動の幅を広げる
美容師が仕事探しをする際、主に以下のような手段が利用されます。
・専門学校からの紹介
・美容サロン検索サイト
・美容室のホームページ
・ハローワーク
・親や知人からの紹介
美容師を採用するためには、なによりもまず自分の美容室のことを知ってもらう必要があります。
美容サロン検索サイトへの登録やHPへの求人掲載だけでなく、SNSを使った発信など、多様な採用手段を活用してみましょう。
離職原因に「職場/サロン/の雰囲気やテイストが合わなかったから」という原因が挙げられていますし、サロンの雰囲気が伝わる発信は採用のミスマッチに対しても有効でしょう。
また、採用前のインターンや職場体験などを実施することで求人への応募のハードルを下げることも有効です。
⑤人材育成を強化し、キャリアパスを描けるようにする
「将来のキャリアパスが見えない」「技術やスキルの向上があまり感じられない」といった不安が、美容師の離職に繋がることがあります。
そこで、キャリアパスをわかりやすく示すことや具体的な教育プログラムを構築することによって、働く美容師が自分の将来像、未来像を描けるようにすることができます。
そのことが達成感ややりがいに繋がり、結果的に定着率の向上にも良い影響を与えるでしょう。
⑥業態を変更する

「今の業態のままでは人手不足解消が難しい」と思われる場合、小規模運営(プライベートサロン)や訪問美容といった業態への変更が考えられます。
プライベートサロンはマンションの一室や自宅などの小さなスペースで、1日数組のお客様に施術するスタイルです。
また訪問美容は、外出の難しいお客様のもとに訪問して施術をするスタイルの業態となります。
どちらも、通常のサロン経営とは異なり経費や労働時間が少なく済むため、人手をあまり多くする必要がないなどのメリットがあります。
<参考コラム>
訪問美容の始め方を5項目で解説!現役美容師のアドバイスも紹介
採用できるまでの「美容室の人手不足」を補う業務改善

人手不足を根本的に解消するには、前述の通り採用や環境改善が必要ですが、それには時間がかかります。
実際に人手不足が解消されるまでの間に「少しでも業務を効率化できないか」と考えるオーナー様は多いでしょう。
そのような場合には、デジタル技術の活用が有効です。
予約管理システムの導入、顧客データ・カルテの電子化などを行うことで、接客以外の業務時間の短縮に繋がるでしょう。
またデジタル化は、会計管理や備品の在庫管理などにも活用することができます。
まとめ
ここまで、「美容室の人手不足の現状と原因」の分析、「美容室の人手不足の解消方法」を6つ、紹介しました。
人手不足の解消には、給与、待遇、ワークライフバランス、やりがいなどの要素に着目した取り組みが必要となります。
また、「美容室の人手不足の解消方法6つ」では、業態を変更することで必要な人手自体を減らす取り組みについても紹介しました。
そこで紹介した「訪問美容」について、当サイト「GOCHOKI」では訪問美容に興味のある方に役立つ内容の記事を多数掲載しています。
訪問美容に興味がある美容師さんは、ぜひ参考にしてください。