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美容師が悩む職場の人間関係は?こじれる原因や対処法、環境を変える方法

2024.09.25

美容師が悩む職場の人間関係は?こじれる原因や対処法、環境を変える方法

美容師によくある悩みのひとつに、職場での人間関係があります。
​​同期との競争や上司、先輩との折り合いなど、同じ職場で長時間働いていると見えてくるものも多くあるでしょう。

美容師という働き方は、同じ空間で他のスタッフと一緒に仕事をするために、同期・先輩・後輩・店長と上手くいかなかったり、衝突することも少なくありません。

もちろん、お客様の理想を実現できたり、チームプレイの良さを感じられるなど、美容師という仕事には楽しい部分も多くあります。

ですが、人間関係の問題によって、そういった仕事の楽しさを感じられなくなると、徐々につらさやしんどさが溜まっていきます。

ここでは、美容師によくある人間関係の悩みを相手別に述べた後、人間関係を改善するための対処法を5つお伝えします。

また、環境を変える場合の参考に、美容師としての働き方3選、美容師経験が活かせる職場6選もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

相手別、美容師によくある人間関係の悩み

美容師が悩む職場の人間関係は?こじれる原因や対処法、環境を変える方法

同期・先輩・後輩・店長の順に、よくある人間関係の悩みを見ていきましょう。

同期との人間関係

同期との人間関係において、もっともよくある問題は競争心による妬みです。

自分が相手より先にスタイリストデビューをしたり、反対に、相手が自分より先に出世した時に嫉妬の感情が生まれることは多いでしょう。

自分が先に成功した場合は、同期から「偉そうにしている」「出世したからってこちらを下に見ている」と思われないようにする必要があります。

また、同期が先に成功した場合は、自分の中の嫉妬心を抑える必要があるでしょう。
もし、出世した同期が偉そうにしているのであれば、気にせず流すか、我慢できないほどひどいのであれば店舗を変えるのもひとつの方法として考えられます。

先輩との人間関係

先輩との関係でよく見られるのは、体育会系のような先輩が絶対という態度にしんどい思いをしてしまうパターンです。

「先輩の言うことは聞かなければいけない」という雰囲気や環境があると、職場で理不尽な扱いを受けたり、休日も先輩の趣味に付き合わされるなど、美容師の仕事とは関係ないところでストレスを抱えることになります。

もし、こちらの意見をちゃんと伝えられていないために先輩とのコミュニケーションがうまくいっていないのであれば、こちらにも改善できる部分があります。

ただし、先輩に明らかに問題があったり、職場環境の問題にまったく改善を期待できないのであれば、働く場所を変えることを検討した方がいいでしょう。

後輩との人間関係

後輩との人間関係でよくある悩みは「モチベーションの低い後輩をどう指導すればいいのか」というものです。

スタイリストになり、教育係を任されると、後輩を指導する必要が出てきます。
ですが、やる気がない、モチベーションが低い後輩の場合「何を教えてもなかなか覚えない」「注意するとふてくされる、逆ギレする」といった反応を返してくる人もいます。

ただ、たとえ後輩にやる気がなくても、お客様により満足して帰ってもらうために、後輩の指導をしないわけにはいきません。

そういうときには、自分の指導の仕方を振り返り、改善することも必要ですが、「オーナーに相談する」「お客様アンケートを積極的に書いてもらい、後輩の足りていない部分を可視化する」といった工夫をしていく必要があるでしょう。

店長との人間関係

店長が一部のスタッフをえこひいきするというのは、いくつかの美容室で見られる現象です。

もちろん店長も人間ですから、すべてのスタッフに完全に同じ対応をすることは難しいかもしれません。
ですが、少なくとも美容師業務に関することについては平等な指導や扱いをする責任があります。

もし、「カットやカラーなどの技術指導を一部のスタッフにだけ丁寧に行う」「えこひいきしているスタッフを優先してお客さんを回す」などの問題があれば、オーナーや経営者に相談するとよいでしょう。

店長の上にオーナーや経営者がいる場合、お店の環境を健全に保つために、できることはしようとしてくれるはずです。

ただもし、店長の上がいない場合や、オーナー・経営者も味方になってくれない場合は、改善を期待できないので、働く店舗を変えることを検討した方がよいでしょう。

人間関係を改善するための対処法5つ

美容師が悩む職場の人間関係は?こじれる原因や対処法、環境を変える方法

人間関係に悩んだとき、どのように対処していけば改善や解決の糸口になるのか、対処法をお伝えします。

何が問題になっているか見極める

まずは、自分の感じている人間関係の悩みについて、何が問題になっているか見極めることが大切です。

その悩みは、誰との、何が、どのように問題となって生じているのでしょうか?
また、その悩みによって、自分はどう感じ、どう改善してほしいと思っているのでしょうか?

<人間関係の悩みの分析の例>
誰と:
同期と

何が:
自分が先に出世した。

どのように:
自分が先にスタイリストになってから相手の態度がそっけなくなった、無視されるようになった。

自分はどう感じているか:
悲しい、つらい。いらだちも少しある。

どう改善してほしいか:
以前と同じ関係性に戻りたい。

そのために何ができそうか:
自分から話しかけてみる。カラーやカットなど技術面のアドバイスを求めてみる。

上記の例のように、自分の悩みを分析し見極めることで「何が問題になっているのか」「自分に何ができるのか」といったことが可視化されます。

そうすることで、これから紹介する対処法のどれを実践すればいいのかも見えてくるでしょう。

信頼できる人に相談する

職場での人間関係の問題は1対1で起きることもありますが、多くの場合複数人のスタッフが関係しています。

同期との問題が生じたときは信頼できそうな先輩に、先輩との問題が生じたときは店長に、自分の悩みについて相談してみましょう。

先輩や店長も、人間関係に悩んだことはあるでしょうし、自分自身の経験から対処法を提案してくれるかもしれません。

また、店長にとっても、自分の店舗で働いてくれているスタッフたちの関係性は大切です。

相談することで現状が改善される可能性は十分あるので、ひとりで抱え込みすぎず、信頼できそうな人に相談してみましょう。

自分を変えることを試してみる

相手に対する不信感が溜まると、自分から相手への態度もそっけなくなったり冷たくなってしまうことがあります。

また、人間関係の悪化の原因が相手でなく、自分にもあるケースもあるでしょう。

どのような場合でも、他人を変えることは難しいので、まず自分に変えられるところがないか考えてみるのもひとつの手段です。

「出勤時、笑顔で挨拶するようにしてみる」
「礼儀正しく振る舞うよう心がける」
「こちらから積極的に話しかけてみる」
といった行動をし、自分の態度を変えることで次第に周囲の態度も変わっていくことがあります。

相手に明らかに悪意があるケースでなければ、この対処法を試してみることは有用といえます。

下積み時代をなんとか乗り越える

この対処法は少し根性論的ではあるのですが、スタイリストになることを目標に下積み時代をなんとか乗り越える、という対処法もあります。

美容師のアシスタント時代は、手伝いや研修ばかりでなかなか自分のしたいことができず、サポートスタッフとして立場も強くないので、きついと感じる方が多くいます。

ですが、そこを乗り越えスタイリストになると、お客様をちゃんと担当でき、自分のしたいカットやカラー、スタイルの追求もある程度はできるようになってきます。

もし、今の人間関係の悩みが「なんとか乗り越えられそうかも」というレベル感のものであれば、スタイリストになるまでやり過ごすのもひとつの対処法です。

どうしようもなければ、環境を変える

「相談する」「自分を変える」といったことでは状況が変わりそうになく、「乗り越える」ことも難しい場合には、環境を変える必要があるでしょう。

別の美容室・サロンに転職する、美容師としての働き方を変えるなどの対処を取り、よりよい環境の職場を探していきましょう。

働き方や転職については、後述の「美容師の働き方3選」「美容師資格が活かせる職場6選」に詳しく記載していますのでぜひご覧ください。

人間関係を変えるための美容師の働き方3選

美容師が悩む職場の人間関係は?こじれる原因や対処法、環境を変える方法

ここでは、美容師が選ぶことのできる働き方を3つご紹介します。

他の美容室

もっとも直接的に美容師の経験を活かせるのは、やはり美容室です。

「今働いている美容室の人間関係が耐えられないほどひどい」
「相談などの対処をしても改善しそうにない」
といった場合には、より良い条件の美容室を探してみましょう。

訪問美容師

美容師には「美容室で働く」という選択肢の他に「訪問美容で働く」という選択肢もあります。

訪問美容とは、高齢や病気などで自力で外出が難しい方の自宅・施設に訪問してカット・カラーなどを行うお仕事です。

美容室での仕事と違い、予約の入っている時間にお客様の自宅や施設を訪問し、施術する働き方になります。

そのため、美容室で働くのとは違った人間関係の中での働き方といえるでしょう。

また、お客様に高齢の方が多いので、その点でも通常の美容室業務との違いがあります。

「上記のような条件が自分に合いそうだ」と思う方はぜひ、訪問美容師を選択肢のひとつにしてみてください。

訪問美容師についてさらに詳しくは、以下の記事に記載されています。

<関連記事>
→ 知っておきたい訪問美容師のメリット・デメリット| 収入の話や活動の始め方も解説

→ 訪問美容師の給料はどのくらい?サロンワークとの比較や給料アップの方法も

→ アシスタントからでも訪問美容師になれる?具体的な方法・訪問美容の始め方を解説

フリーランス

近年、フリーランスで働く美容師も増えてきています。

「労働時間を自分で設定したい」
「自分がやりたい仕事に注力したい」
「従業員としての人間関係とは違った人間関係の中で仕事がしたい」
といった思いを持つ方であれば、フリーランス美容師が向いているかもしれません。

ただし、フリーランスになることは「お店を持たない独立」を意味します。

美容師としてのスキルや経験が浅い状態でフリーランスになると、お客様の獲得に苦戦してしまうでしょう。

フリーランスの美容師を目指す方は、美容師としての経験やスキルを磨くとともに、自分のブランディングや集客方法についても計画しておくことをオススメします。

フリーランスの集客方法には他にも、以下のようなものがあります。

①お客様につないでもらう、紹介してもらう
②モデルハント
③ポスティング・チラシ配布
④SNSで発信
⑤ブログやホームページで発信
⑥予約アプリ
⑦訪問美容

これらの集客方法については、以下記事に詳細が載っていますので、フリーランス美容師に興味がある方はぜひご覧ください。

→ フリーランス美容師の集客方法7つ|成功するために押さえたいポイント

美容師経験が活かせる職場6選

美容師が悩む職場の人間関係は?こじれる原因や対処法、環境を変える方法

美容師には美容室・サロン以外にも、美容師経験を活かして働くことができる職場があります。

ここでは、そのうちの6つの職種をご紹介します。

アイリスト

美容師の資格が活かせる転職先のひとつに、アイリストがあります。

なぜなら、アイリストは現在、美容師免許が必須の職業となっているからです。

美容師の仕事とも共通する「お客様の希望に合うデザインを考えて、実現したい」という思いを持っている方であれば、アイリストは有力な選択肢のひとつとなるでしょう。

ネイリスト・エステティシャン

サービスを提供して、お客様に喜んでもらう仕事として、ネイリストエステティシャンも挙げられます。

ネイリストの場合、美容師としての美的センスやデザインセンスを活かして働くことが可能です。

また、エステティシャンの場合、美容師とは少し方向性が違いますが、エステというサービスを通して「お客様に綺麗になってもらう」「お客様に喜んでもらう」ことができるでしょう。

どちらも国家資格などは必要ありません。
入社後の研修や民間資格の取得などでキャリアアップをしていくことができます。

美容メーカー

美容商品の開発や製造、営業、販売などを行う美容メーカーも、転職先として考えられる職業のひとつです。

美容師としてさまざまな美容商品を使っていた経験や、お客様のカウンセリングをしてきた経験が活かせるでしょう。

ブライダル

ブライダルも、美容師のスキルや経験を活かして働ける業界のひとつです。

結婚式場では、ブライダル美容師がヘアアレンジ、メイクなどを行います。

ヘアアレンジでは美容師の経験やスキルをそのまま使えるでしょうし、メイクも「お客様を綺麗にする」という点では美容師の仕事に似た目的を持っているといえるでしょう。

アパレル

アパレル業界では、美容師として培った美的センスやおしゃれに対する感度の高さが活かせるでしょう。

特に、アパレル業界はトレンドを追う力が求められるので、美容業界のトレンドに強い方は向いている可能性が高いです。

また、アパレル業界は、接客スタッフだけでなく、スタイリスト、バイヤー、デザイナーなどさまざまな職種があるので、幅広い選択肢の中からキャリアを選び取っていくことができます。

まとめ

ここまで「相手別、美容師によくある人間関係の悩み」「人間関係を改善するための対処法5つ」などについて主にお伝えしました。

また、「職場内の人間関係にもう耐えられない」「改善することが期待できない」といった方向けに、環境を変える場合の参考として「美容師としての働き方3選」「美容師経験が活かせる職場6選」をご紹介しました。

「美容師としての仕事が好きでも、人間関係が悪くて働くのがつらい」など、人間関係というのは仕事に大きな影響を与えるものです。

「何が問題になっているか見極める」でお伝えしたように、あなたの悩みがどういったもので構成されているかを考え、適切な対処を取ることで今の状況を改善していきましょう。

また、本文中で紹介した訪問美容について、当サイト「GOCHOKI」では、訪問美容に関心ある美容師に役立つ内容の記事を多数掲載しています。
訪問美容に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

→ 訪問美容「GOCHOKI」のお役立ちコラム