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美容室の売上アップにつながる、経営の考え方や集客方法を紹介!

2023.03.09

美容室のオーナー

美容室を経営している方の中には「思うように売上が上がらず焦りを感じている」「売上が横ばい、もしくは徐々に落ち込んできていて今後の経営が不安」といったことをお考えの方も多いのではないでしょうか。

1997年から2017年の間に、20万店舗から25万店舗に増加している美容室。少子高齢化の影響もあり、1店舗あたりの顧客数も減っていく中で、美容室はどのように売上アップしていけばいいか、悩んでいる方は多くいらっしゃいます。

そこでここでは「売上アップを目指すときに重要な考え方4つ」をご紹介いたします。

またあわせて、「売上につながる顧客獲得方法」「売上をアップしてブランド力ある美容室にしていくためには」といったこともお伝えしますので、ぜひ一度目を通してみてください。

美容室の売上アップを目指すときに重要な考え方4つ

美容室の売り上げを上げる

多くの美容室、サロンが売上アップの方法として「新規顧客の開拓」を行います。

しかし、売上をアップさせながら美容室を次の経営ステップへ進めていくためには、それだけでは不十分です。

ここでは「新規顧客の開拓」以外の売上アップを考える際に重要な、以下4つの考え方をお伝えいたします。

①顧客の数×単価=売上を意識する
②顧客ごとの状況を把握する
③単価を上げる工夫を考える
④経費の抑え方も考える

①顧客の数×単価=売上を意識する

美容室オーナー向けのセミナーなどでも見聞きしていることかもしれませんが「顧客の数×単価=売上」という方程式を意識しておくことは外せないポイントです。

ここを常に押さえておかなければ「売上アップのために努力をしていたつもりだったのに、まったく結果に結びつかなかった」「ピントのズレた努力をしてしまっていた」ということにもなりかねません。

ただし、この方程式の中にある「単価」の部分は、美容室の経営段階によって変わってきます。

たとえば、新規開業の美容室では、顧客確保のために単価は安めの設定になるでしょう。また一方で、カラーやパーマ、ストレートといった特定の分野で強みを持ち、独自戦略を進めている美容室であれば高い単価設定にしても顧客を確保できます。

このように、自分の美容室の経営状況を見ながら、方程式の「顧客数」「単価」の数字を動かしていくことが、美容室の売上アップには必要になってきます。

それぞれの経営ステップにおける具体的な話については、最後の「売上アップしてブランド力ある美容室にしていくために」の章でより詳しくお伝えしていますのでご覧ください。

②顧客ごとの単価や来店頻度を正確に把握する

美容室の初期段階では新規顧客の獲得は重要ですが、ある程度経営が軌道に乗ったら、次に大切なのは常連顧客の確保になってきます。

「顧客数を増やす」「既存顧客に継続的に来てもらう」ためには、顧客ごとの状況を正確に把握することが大切です。

具体的には、顧客カルテをもとに以下のようなデータを把握しておきましょう

・客単価
・来店頻度
・店舗販売商品の購入量、購入頻度
・これまでのカウンセリングの内容

これらの記録にこまめに目を通しておくことで、次回の来店予想ができ、経営の指標のひとつとすることができます

また、失客の予想が立てば、それに対してどのように対処していくかも考えることができます

カルテのデータに目を通さず失客を見逃してしまうと、経営を改善するチャンスを失ってしまい、結果として売上アップのチャンスも逃してしまうことになるでしょう。

そしてなにより、顧客カルテのデータをしっかりとチェックしておくことで、高単価なお客さんや来店頻度の高いリピーターのお客さんを把握することができます

顧客ごとの情報を正確に把握して、常連のお客さんに安定したリピーターになってもらうためにしっかりとフォローしていきましょう。

③単価を上げる工夫を考える

顧客あたりの「客単価」を上げていくためには、美容師からお客さんに対する提案が重要になってきます。

・複合メニュー提案
・店舗販売商品提案
・顧客に対して適切で納得感ある提案(カットやカラー、パーマなど)

上記のような提案をうまくできれば、1人あたりの単価が上がり、売上アップにつながるでしょう。

ただしもちろん、ゴリ押しの提案ではいけません。美容師として働いている方であれば「ちょっと無理に提案しすぎて失客につながってしまった」「自分の知識不足で、お客さんが求めているものをうまく提案できなかった」という経験のある方が多いのではないでしょうか。

そこで大切になってくるのが、②で述べた顧客カルテのカウンセリング記録です。

お客さんが美容室を訪れる前に、前回のカウンセリング記録をチェックしておくことでより適切な提案をしやすくなります。また「何度も同じ提案をしてしまう」といった単純なミスも避けることができます。

お客さんに「この美容師さんは自分のことをちゃんとわかって施術してくれてる」と思ってもらえる接客をするためにも、カウンセリング記録のチェックは怠らないようにしておきましょう。

そうすることで「施術内容の単価アップ」「店舗販売商品購入の単価アップ」「リピーターとして継続来店」につながり、美容室の売上アップにつながります。

④経費の抑え方も考える

ここまで、売上アップを目指すために重要な考え方を紹介してきましたが、利益アップを目指す際には「経費を抑える」という視点も大切になります。

入ってくるお金ばかりを気にして、出ていくお金に目を向けていなければ、売上が上がっても安定した経営をしていくことはできません。

具体的には、以下のような経費を抑える工夫をしてみるとよいでしょう

・材料費
・宣伝費
・光熱費

材料費に関しては「同じ効果のある製品の中でより安い商品を検討する」「薬剤の適切な使用量を意識する」などの工夫が考えられます。

また宣伝費について、若い人ほどチラシや広告よりもSNSを活用している時代なので「チラシなどの印刷・配布をSNSの運用に切り替える」といった方法で経費を削減することもできます(中高年層をターゲットとする場合や地域によっては、チラシの方が宣伝効果が高いこともあります)。

光熱費はなかなか抑えることが難しい経費ですが、節電の徹底、省エネエアコンの採用、ライトのLED化などを通して、少しずつ削減することができます。

利益アップのために「入ってくるお金を増やす」ことはもちろん「出ていくお金を減らす」ことにもしっかりと目を向けておきましょう。

美容室の売上アップにつながる顧客獲得方法

顧客獲得方法

それではここからは、売上アップするための具体的な方法についてお伝えします。

SNS

若者をターゲットとする場合、まず外せないのがInstagram、facebook、Twitter、TikTokなど、SNSの活用です。

SNSを活用する際に押さえておきたいポイントは「美容師個人のアピールが重要になってきている」ということです。

美容室自体のブランディングやアピールももちろん重要ですが、最近のお客さんの中には「Instagramで見つけたこの美容師さんに施術をお願いしたい」というスタンスで美容室を訪れる方も増えています。

あなたやあなたの美容室で働く美容師が注目されればされるほど、新規顧客やリピーターの獲得が容易になります。だからこそ、SNSを活用しない手はないでしょう。

ただ「経営が忙しくて更新できない」「SNS運用をしているのだけれど、なかなかフォロワーが増えない」といった方も多いと思います。

そういった場合には、以下のような工夫をしてみるとよいでしょう。

・美容室で行っているサービスについて、画像や動画込みでわかりやすく伝える
・#(ハッシュタグ)を積極的に使ってバズを狙う
・自社サイトなどに誘導し、顧客にアピールする
・写真の撮り方を工夫して、おしゃれに見えるようにする
・雇っている美容師のうち、SNSに詳しい人に協力をお願いする

など

SNSを活用することによって、これまでに無かった販路の拡大が見込めます。それが、新規顧客やリピーターの獲得につながり、売上アップに貢献するでしょう。

Googleビジネスプロフィール

Googleビジネスプロフィール

お客さんがネットで検索するとき、できるだけ短いフローでお店に訪れてもらうためには、Googleビジネスプロフィールの登録は必須です。

Googleビジネスプロフィールに登録することで、Googleマップにあなたの美容室の情報を表示することができます

しかし、ただ登録しているだけでは効果としては不十分です。登録した上で「美容室の情報を詳細に書き込む」「お客さんにレビューをお願いする」「レビューがついたらできるだけ早く返信する」「ホームページやInstagramと連携する」といった作業をしていく必要があります。

なぜそういった作業をする必要があるのかというと、上記のような作業をすることで、Googleの検索結果の上位に表示されやすくなるからです。

(補足:Googleの検索結果上位に表示させる手法として、MEOやSEOといったものがあります。簡単に言うと「MEOはGoogleマップで検索上位に表示させる手法」「SEOはGoogle検索で上位に表示させる手法」です。

ほとんどのGoogleユーザーが、検索結果上位に出てくるサイトや記事のみを参考にすることで知られています。つまり、検索結果の上位に表示されるようになれば、これまでより多くのお客さんに注目されるようになります。)

Googleビジネスプロフィールに美容室の情報を登録し、新規顧客に知ってもらいやすくすることで将来のリピーター獲得、売上アップにつなげることができます。

自社サイト

美容室口コミサイト「ヘアログ」を運営している株式会社ノーマリズムが2020年に行った調査によると、消費者の66%が美容室の公式ホームページをチェックしていることがわかっています。

参考:美容室選びで「公式ホームページをチェックしますか?」のアンケート調査

自分の髪を大切にしているお客さんほど、訪れる美容室を吟味しています。その際、公式ホームページは、来店の決め手として非常に重要であるといえるでしょう。

自社のホームページには「わかりやすいメニュー提案」「美容師紹介」を載せて、顧客にとって魅力的なものに随時更新していきましょう。

また、お店の雰囲気をおしゃれにアピールすることも大切です。ホームページ作成スキルがない場合には外注することもできます。

また昨今は、Instagramを公式ホームページの代わりにする美容室も増えてきています。もしホームページ作成がどうしても難しいようであれば、代わりにInstagramに力を入れるのもひとつの手です。

大手予約ポータルサイト

先ほどの調査では、美容室探しをしている消費者の68.8%が美容ポータルサイトを利用している、という結果も出ています。

なので特に新規顧客獲得のためには、大手予約ポータルサイトに美容室の情報を載せておくことが大切といえるでしょう。

ただし、大手予約ポータルサイトには競合美容室も多いため、客単価を上げることは難しいのが実情です。単価を上げて、独自戦略路線を取っていく場合には大手予約ポータルサイトを活用するよりも自社サイトやInstagramを充実させていくことをおすすめします。

特に「顧客数は足りてきて、リピーターの客単価を上げていきたい」美容室であれば、大手予約ポータルサイトに載せるメリットはあまりないといえるかもしれません。

訪問美容

シニア女性の髪を乾かす女性美容師

昨今注目されている新しい美容のひとつに「訪問美容」があります。

少子高齢化が進み、「2040年には人口の1/3が高齢者になる」とも言われている日本で美容室を経営するのであれば、高齢の方もしっかりと潜在顧客として見据えていかなければなりません。

「若い頃のように美容師さんにヘアカットをしてもらいたい」「美容室には足が悪くて行けないけれど、ちゃんとした美容の施術を受けたい」という方は多くいらっしゃいます。

そうしたニーズに応えることができるのが「訪問美容」です。今後、美容室の売上アップを考えていくのであれば、この訪問美容を新たな顧客獲得方法のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。

また訪問美容は、怪我をして自宅から出られない人や、妊婦さん、うつ病などの方も利用できるサービスでもあります。新たな顧客獲得の方法として検討する価値は十分にあるはずです。

当サイト「GOCHOKI」では、訪問美容師に興味がある方に役立つ記事を多数掲載しています。訪問美容に興味がある美容師さんは、ぜひ参考にしてください。

→ 訪問美容「GOCHOKI」のお役立ちコラム

売上アップしてブランド力ある美容室にしていくために

美容室としてのブランド力を高めていくのであれば、新規顧客を増やしていく経営状態から、リピーターを確保し経営を安定させていくステージに進めていかなければなりません。

単価を下げて顧客数を増やすタイプの美容室から、単価を上げて顧客数を減らすタイプの美容室にブランドアップしていくためには、「売上アップを目指すときに重要な考え方4つ」でご紹介した「顧客ごとの状況を把握する」方法を発展させていく必要があります。

具体的には「顧客カルテの上位売上20%〜30%をチェックしながら顧客数と単価を調整していく」という手法があります。

一般的に、新規開業の美容室は客単価3,000円代で、顧客の上位30%が売上の40%ほどを占めていると言われます。

ずっと同じ客単価でやっていると美容室として次の経営ステップに進めないので、誠実に接客をしながら「売上アップを目指すときに重要な考え方4つ」でご紹介した「単価を上げる工夫」を行っていく必要があります。

客単価を少しずつ上げていき、客単価が4,000〜5,000円になれば、上位30%の顧客が売上のおよそ50%を占めている状態に近づいていくと思います。

そこからさらに、上位30%の占める売上が60%前後になってくると、客単価を6,000円以上にしていくことができるのではないでしょうか。

上記の経営ステップはあくまで一例ですが、顧客カルテを厳密にチェックすることで、データに基づいて客単価を上げていくことができます。

新規顧客に頼る美容室から、リピーターを重視する美容室へとブランディングのステージを移していくために、売上の上位20%〜30%に着目しながら売上アップの工夫をしていくことをおすすめします。

まとめ

ここまで「美容室の売上アップにつながる考え方」や「顧客獲得方法」についてお伝えしました。

人口が減少し、美容室・美容師が増加している日本で、美容室の売上アップは昔より難しくなってきています。

そして今後も高齢者の人口が増え続けていく中で、これまでにはあまり多くなかった「訪問美容」という新しい顧客獲得方法が注目され始めています。

当サイト「GOCHOKI」では、訪問美容師になりたい方に役立つ内容の記事を多数掲載しています。訪問美容に興味がある美容師さんは、ぜひ参考にしてください。

→ 訪問美容「GOCHOKI」のお役立ちコラム